●科学的管理法から人間関係論へ
科学的管理法は米国においてテイラーにより提唱され、人間の生産管理を分割可能な工程に分け、それをストップウォッチで生産性を測るといううものでした。
このテイラーによる生産管理システムは、第一次大戦前後から始まった大量生産時代に貢献しました。自動車のフォードはこれを利用して事業が発展したと言われています。
しかしながら、人間を機械に見立てた管理法は見直され、1025年前後にメイヨーやレスリスバーガーにより行われた米国のウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場で行われた実験で、作業能率の上昇に最も貢献したのは、時間管理ではなく、また、照明の量や質ではなく、職場での人間関係、仲間内のやる気であったということが証明されました。
その後、近年になり「心身ともに健康な従業員ほど、仕事に対するモティベーションが高く、さらに健康な従業員が多い企業は、そうでない企業に比べ、生産性が高く、離職率や企業による医療費負担が低い」という米国の臨床心理士ロバートローゼン博士のビッグデータからの分析に基づいた説が提唱され、米国の現在でも著名な会社がその考えを採用し、その会社の信条や行動指針に謳われています(例:ジョンソンエンドジョンソン)。
健康経営
従業員の健康保持・増進に取り組むことは、自殺・健康障害・労働災害等のリスク減少だけでなく、従業員の活力や生産性の向上プレゼンティーイズムの改善 等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や組織の価値向上へ繋がる投資である。
この考え方の下、健康管理を経営的視点から戦略的に実践する経営手法のことである。
働き方改革関連法の中から特に健康経営と親和性がある法令